逃げる
身を護る
取り押さえる

日常を護る柔術

「柔術」と聞いて、どんなイメージがありますか?
激しい試合や、力比べの格闘技を思い浮かべる方もいるかもしれません。
夕晟館の柔術は、競技のためのものではありません。
日常の中で起こり得る、揉み合いの時の技術です。

掴まれた時
絡まれた時
倒された時
襲われた時

色々な時があります。

状況に応じて判断し、行動できる力を養います。

柔術という言葉は、時代や目的によって、組み討ち・小具足・やわら・捕手・柔道・ブラジリアン柔術(BJJ)など様々に呼ばれてきました。

夕晟館では、流派や競技にこだわらず、護身として合理的な技術を整理し、まとめて「柔術」として指導しています。

力任せではなく、体格差があっても扱える、現実的な技術です。

柔術の本質

上記で述べたように柔術の呼び名や形は時代によって変わってきましたが、共通している本質は一つ。

接触や交錯の中で、心身の力を有効に活用し、最小の力で最大の効果を得ることです。

距離を取ってやり取りする場面ではなく、言葉では収まらず、直接的な接触や身体的な干渉が生じる局面。

その中で、逃げるのか、制圧するのか、あるいは排除するのか。

状況に応じて対応できること。
それが夕晟館柔術の役割です。

三つの目的

六つの技術体系

柔術の稽古は、単に技を覚えることではなく、状況に応じた「目的」を達成するために構成されています。

三つの目的

逃げる

軽く触れられた場面から拘束された場面まで、状況に応じて距離を作り、安全に離れる。

 身を守る

危険度が高い場合に、相手の攻撃能力を奪い、行動不能にする。

取り押さえる

必要以上に傷つけることなく、相手を地伏させ、動きを止める。

二つの局面の中で
四つの段階を通した
六つの技術

夕晟館の柔術は、立った状態での攻防である「立合(たちあい)」と、地に就いた状態での攻防である「座合(ざあい)」の局面で構成されています。

取る

── 当て身から組みつくための突破口──

「取る」とは、単に掴むことではありません。打撃の距離でいきなり組もうとすれば、相手の打撃を受けます。同じ立技でも打撃の体の使い方と、組みの体の使い方は異なるからです。だからこそ、打撃の流れの中から懐に潜り込む練習が必要になります。

「取る」は、技を機能させるための生命線です。

崩す

── 技を成立させるための前提 ──

「崩す」とは、相手のバランスを乱し、自分は安定を保つことです。重心が安定したままの相手に、いくら投げようとしても効きません。それどころか、逆に体勢を返される危険があります。また、相手を崩しても自分も同時に崩れていては、技は出せません。相手が不安定で、自分は安定している。この非対称の状態をつくることが、崩しの目的です。優位な均衡が生まれてはじめて、次の段階へ無理なく移ることができます。

「崩す」は、技を成立させるための土台です。

倒す

── 優位な局面を作る ──

「倒す」とは、単に相手を転ばせることではありません。立位では互いに機動力があり、状況は常に流動的です。相手を地に伏せさせることで、その機動力を奪い、自分が有利な局面へと移行します。安定を失った相手をそのままにせず、優位な形へ確定させる。

「倒す」は、状況を終わらせるための決定打です。

固める

体位を固定して身動きを封じ、反撃の機会を完全に断ちます。

絞める

頸部への的確な圧迫により、最小限の力で相手を無力化します。

緘(搦)める

関節を制御・破壊し、抵抗の意志を奪います。

── 地における制御 ──

倒しただけでは、状況は終わりません。相手が再び立ち上がれば、攻防は続きます。座合では、地において相手の動きを制御します。相手の反撃能力を確実に奪い、状況を自分の選択で終わらせること。必要であれば制圧し、必要がなければ離脱する。

座合は、立合で得た優位を確かな結果へと変える段階です。

「負け方」を知ることが、真の安全を生む

柔術の技を覚えたら、理屈よりもまず身体を動かす「実戦」から入る稽古形態をとっています。
そのため、感覚で理解しやすく、スムーズに上達いただけます。

しかし、強引な技は怪我につながるので、夕晟館では、そのための約束があります。

■「負ける強さ」を持つ

「何ができて、何ができないか」を知るために、乱取り(スパーリング)を行いますが、勝つことが目的ではありません。
慣れた技で勝つより、新しい技に挑戦して負けることに価値を置いています。

練習では、勝ち負けより成長を選びます。

■ 無理をしない・させない

相手の技がきれいに入ったら、無理に耐えない。
力で補わず、流れに乗るか、素直に参ったをする。
それが、怪我をしない・させない稽古につながります。
本気だけど、カチンコ勝負ではありません。真剣にじゃれ合う中で、しなやかな強さを育てます。

強さとは、無理を通すことではなく、自分をコントロールできることです。夕晟館では、そんな“しなやかな強さ”を育てています。

「自分に合った技」を見つけ、日常の備えとする

習ったすべての技を完璧にマスターする必要はありません。
夕晟館の方針は、「できない技を追うより、できる技を磨く」こと。
自分の体格や性格に合った、自分だけの戦術を習得することを目指します。

具体的なシチュエーション想定例

  • 街中で不意に胸ぐらを掴まれた場面
  • ナイフで襲いかかられた場面
  • その場で拘束しなければならない場面

「いつ、どんな時に使えるか」を明確にイメージし訓練することで、護身の意識が自然と日常生活に根付いていきます。

「型」に秘められた実戦の理
空手ページをチェック

力に頼らない、理の技術
合気道ページをチェック

※夕晟館ではこれら全てを一つの体系として学びます